K-Trimming

0.5mm厚アルミ板叩き出し



洋裁を始めたきっかけは
NYで知り合ったファッションデザイナーの友人に
「自分で着る服くらい自分で作ったら?」
と勧められたことによる。


いろいろ好き勝手に作っているうちに
決まりごとみたいなことがわかってきた。
パターンを画くときが一番おもしろい。
次におもしろいのは、材料探し。

7th Ave.のファッション街によい生地屋さんが
たくさんある。ブランドのネーム入りの生地とか見つかる。


でも、1番のお気に入りは
ダウンタウンのBway沿いにある
" K-Trimming "。
ジューイッシュのおじいさん2人がやってる。
主にボタン、スナップ、ジッパーなんかのパーツがメイン。
1階から地下2階まであるのだけれど、階段を降りていくと真っ暗。
手探りでなんとか 蛍光灯の紐をひっぱってライトオン。
細長いフロアの左右5m先は真っ暗なまま。
とりあえず、見える範囲で探索する。
天井まであるスチール棚に箱に入ったジッパーが
グジャグジャに詰まっている。
床にもいろいろ落ちている。


何度の通っているうちに
'40、'50年代のジッパーなんかも発見。
ついでにダンボールに頭突っ込んでいたら
きれいに白骨化したねずみらしき物体まで発掘してしまった。
山ほどあるボタンは見つけたときに確保しないと
あとで取りにいっても2度と見つからない。


会計のときは
おジューのじいさまが1つずつ値段を書き上げて
手書きで計算してくれる。 
ちょっと値段があやしい、、、
このまえと同じものなのに値段がちがう、、、
と見ていると
「おまえは、いつも"art stuff"しか 買わんのう。」
などと言い訳ぽく話しかけてくれるのである。